2012年6月29日、岩手県陸前高田市のカフェレストラン「クローバー」は、“3度目”のオープンを迎えた。

「選べるオムライスSET」(1080円)。白いプレートにオムライス、黒いプレートにはハンバーグ、から揚げ、エビフライから選べるサブメニューとサラダ、ナポリタンが載っている。コメは遠野産、野菜は「クローバー」のオーナーの山田ミヨ子さんが自ら栽培しているという (この記事の写真:田頭真理子)
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 最初のオープンは7年前だった。「このあたりには女性がのんびりとしゃべってくつろげるお店がなかった。ならば自分でつくってしまおう」と、オーナーの山田ミヨ子さんが奮起。貸店舗で始めた店は、たちまち地元女性でにぎわう人気店となった。そこに、あの震災が起きた。

オーナーの山田ミヨ子さん(右)とスタッフの大友安代さん(左)。息の合った連携はまるで親子のよう

 高台にあった店は、無事だった。しばらくは津波で家を流された山田さんや従業員の避難所として使われた。ここをベースに、各地の避難所でパフェやコーヒーの仕出しボランティアを行った。そこであらためて「くつろげる場所」の必要性を実感し、まだ水も出ない2011年5月に店を再開、2度目のオープンを迎えた。